東京漂流瓶集配局

物語と音楽を偏愛しています

花咲き道理


花咲き道理 (EDGE COMIX)
(2012/8/24)
夏糖 (著)
全1巻


なんとなく買った『バビルサの角』が、じんわりかつすごーく良かったのでこの作家の名前を覚えていた。で、先日本屋でその名を背表紙に見つけて買ってみたところ…めちゃくちゃ良かった! ってこれがデビュー作なのか。いいなああ変わってるなああ

小劇団に所属する役者の幹(通称ミニ)は、人のオーラが星や水滴やボタンなどの具象物に見える目を持っている。けれど、何も見えない相手もいるし、見えて何かに役立つということもないのでふつうに過ごしている。
そんな幹の先輩役者である岡崎智早(おかざきちはや)のオーラは花のかたちをしていた。長身でヘヴィスモーカーで、面倒見はいいけれど無愛想でぼんやりしたこの先輩が、なぜ花のかたち? …というふしぎなきっかけから始まる、連作短編の群像劇。

花が気になって見つめてるうちに、先輩に惚れちゃうんでしょ? 知ってる知ってるー

…と思うじゃん?
そうじゃないのがこの作品の新鮮なところなのだ。
物語は先輩の過去と現在を解きほぐすかたちで進んでいくけれど、ぶっちゃけ幹は先輩のストーリーにそこまで関与するわけではない。それでも、幹が先輩や周りの人々とそのオーラをただ気にかけ見守っていることが、状況を明るい方向へそっと押しやる効果を生み出している。
そんな「すごく日常的でささやかな、でも貴重な道しるべ」(たとえば役者にとっての舞台上の蓄光テープのような)をキーにしているこの作品は、描かれている内容も読みごこちも、とても繊細微妙だ。友人・恋人・仲間・先輩後輩といった関係の境界をじわりと溶かすような微細な情感にあふれ、胸をぎゅぅーっとゆっくり絞られるようなリアリティに満ちている。

唯一の瑕疵は、出てくるキャラが貧乏役者や裏方たちなのでみんなモサッとしたデザインであることぐらいだろうかw 絵柄も素朴なのでなおさらそう見える。でも、ふとした瞬間のはっとするような表情の描き方や演出が丁寧なので、キャラの感情の流れを追うのにはまったく支障はない。
ゆったり展開する地に足のついた物語、沁みいるようなあたたかいエンディングを味わいたい方はぜひ。

以下、内容に触れつつ語ります。なんかすごく長くなった!

スポンサーサイト

菜の花の彼─ナノカノカレ─(12)


菜の花の彼─ナノカノカレ─ 12 (マーガレットコミックス)
(2017/2/24)
桃森 ミヨシ (著), 鉄骨 サロ (著)
既刊12巻


あらかわいい菜乃花さん(表紙)。今回は本編中で常にも増して率直無双だから、ちょっと表紙でバランスとってるのかもしれないw

今巻を通じて描かれたのは、いままで幾度も鷹人や桜治の口にのぼった「取り戻す」ということがどんなことなのかを、実時間を使ってたっぷり見せるというものだった。でも、菜乃花レビューで何度か書いてきたように、この作品には「各人が経てきた経験と選択の不可逆な積み重ねこそが、その人の現在をかたちづくる」という一貫した主張がある。
つまり…ぶっちゃけて言うと今巻の読みごこちは、「ダンジョン内のあきらかなハズレルートの奥を確認しに行く」ことにそっくりだった。行き止まりの予感しかしない。そんな冷厳な展開を、シリーズ中で一番コミカルに描写しているのがしんどくも面白かった。

でも、たとえ行く手に未来へつづく扉も階段もないのだとしても、行き止まりにはたいてい宝箱があるものだ。きっとその中には、今後進んでいくための鍵となる何か・他では得がたい何かが入っているんじゃないのかな。菜乃花と鷹人は行き止まりで何を見出すのだろう。物語は終盤に向けて着々と進んでいる。

ではネタバレつつ語ります。

関連記事

並河靖之七宝展 明治七宝の誘惑―透明な黒の感性

庭園美術館に明治の七宝を観に行ってきました。(→公式サイト
七宝ってどんな工芸かご存じでしょうか? いちおう簡単に説明してみます。

 1)素地づくり:金属板を器の形に成型する
 2)絵付け:素地に墨で下絵を描く
 3)植線:金属の極細リボンを下絵に沿って立てて貼り付ける
 4)施釉:金属リボンで区切った空間に釉薬を挿す
 5)焼成:釉を素地に焼き付ける
  →リボンと釉の高さが揃うまで4・5を繰り返し
 6)研磨:表面を磨く
 7)輪付け:素地の口や底など末端を輪で覆う

これがいちばん基本的な有線七宝の工程です。超手が込んでますね!
それでできた作品は、きりっとクリアな金属の輪郭と色彩をもつ、こんな感じの見た目になります。

藤図花瓶
藤図花瓶 明治後期 径8.6 高17.1 京都国立近代美術館

拡大するとこんなふうになってます。ほっそい輪郭が金属でかたどられているのがわかるでしょうか?
藤図花瓶部分

そして注目していただきたいのが寸法。径8.6cm、高さ17.1cm。
高さ17.1cm!!
大事なことなので2回言いました。つまりこれ、ものっすごく小さいんですよー! てのひらサイズの壺や花瓶に、髪の毛よりちょい太い程度の金属線で絵を描いてるんです。
展示品があまりにも細密美麗であること、それと、庭園美術館じたいがとても美しい建築であること(旧朝香宮邸:皇族がアール・デコ様式で建てた昭和初期のお邸)から、なんだか語彙力がどっかにふっとんでいった日でした。わたしと連れの会話から「こまっけぇ!」「綺麗!」「洒落てる…」を抜いたら、ほとんどことばが残らなかった気がしますw

で、今回の展覧会は、明治期の七宝の大家であった並河靖之(なみかわやすゆき)という人物が手がけた品を通時的に展示していました。
日本における七宝の技術じたいが未熟でデザインももっさりしていた初期作品から、どんどん技術改良と作柄の洗練がなされていった様子がよくわかる展示です。みっしり文様をしきつめていたのが余白を活かすデザインになり、最後は器のうえに絵画を展開するようになってゆくのです。後期の絵画的作品を観ていると、「七宝とは…?」などと考えてしまうほどでした。あまりにも自由に絵を描いているので、上記で説明したような基本的な工程でそれを作れるとはとても思えないのです。

たとえばこれは最晩年の作品です。図版ではかなり茶色が濃くなっていますが現物はもっと淡く、サーモンピンクがかったはんなりしたオレンジベージュのすばらしい色合いでした。植線の金色が、このしずかなモノトーンの風景を照らす光のようなきらりとしたハイライト効果になっていて、ぱっと見は渋くても見れば見るほどしみじみと美しかったです。よかったなぁ…。
楼閣山水図香炉
楼閣山水図香炉 大正元年(1912) 径14.7 高13.0 東京国立博物館

並べられている作品たちはひたすらに細かく美しく、その色かたち意匠・つるりかちりとした質感をただ愛で感嘆するほかに思うことはあまりありません。
今回気になったのは、並河靖之という人物のふしぎさについてでした。
ふつうこういった個人をフィーチャーした展覧会だと壁の大きなパネルに経歴が書いてあって、今回もそうだったのですが…なんだかその経歴だけを眺めていても、どんな人物でなぜそういった事績があるのかよくわからないのです。

並河靖之は幕末の京都に武家の子として生まれ、10歳で青蓮院宮(しょうれんいんのみや)の近侍となりました。この青蓮院宮という人がややこしくも派手な経歴でして…「院」の字がついているように、最初は得度して僧籍にあった公武合体派の入道親王で、井伊直弼とバチバチ対立していたそうです。以下は緑字が宮様・青字が靖之についてのイベントになります。

 1859(安政6) 安政の大獄で蟄居。青蓮院宮を名乗れなくなり相国寺に居候して獅子王院宮となる
 1860(万延元) 桜田門外の変で井伊直弼死亡
 1862(文久2) 赦免され朝政に参画する。還俗して中川宮となる
 1864(元治元) 賀陽宮(かやのみや)と改称

 1867(慶応3) 王政復古が決定し、倒幕・尊攘派の公卿が復権する
 1869(明治2) 安芸広島に蟄居
 1871(明治4) 帰洛を許され、伏見宮と改称

 1873(明治6) 七宝製造を始める
 1874(明治7) 久邇宮と改称
 1876(明治9) 横浜のストロン商会と5年の契約を結ぶ。七宝の釉の透明化、茶金石挿入などの新技術を発明
 1877(明治10) 久邇宮家の姫君の養育掛となり、2年間自宅に預かる
 1878(明治11) 京都府勧業場御用掛となる。久邇宮家従を辞して七宝製造に専念する
    :
  《七宝製造の一人者として赫赫たる活躍》
    :
 1891(明治24) 久邇宮逝去
    :
 1923(大正12) 工場を廃業する
 1927(昭和2) 83歳にて病没


ね、なんだかよくわからんと思いませんか?
とりあえず見てください宮様のこの忙しさ。何回失脚して何回名前変えてるんでしょう? そして、靖之は近侍としてこの流転のすべてに付き従っていました。で、その慌ただしいマスターに仕えている最中になぜか七宝に着手し、姫様の養育掛まで任せられながらある時ふっつりとマスターのもとを去って七宝に専念するのです。なぜ。
その理由は、激変する情勢によって宮家の禄がカッツカツだったため、俸給の足しとしてサイドビジネスを始めてみたから…だそうです。な、なるほどーーー! それでも、なぜこんなに手間と技術と経費がかかりそうな七宝だったのかはわかりません。わかりませんが、彼は七宝製作にものすごい適性と才能があったのでした。家従を辞めたのも、七宝にハマッたのを建前に、食い扶持を減らそうとしたのかもしれない…とも思えます。

面白かったのが、ストロン商会とのエピソードです。
1881(明治14)年、商会は靖之の七宝のレベルが低いことを理由に契約解除を通告し、負債を負った靖之の事業は窮地に陥ります。ところが、商会は靖之を東京に招いて上野で開催された内国勧業博覧会を見学させてくれたのです。名古屋の七宝などの完成度の高さをその目で見た靖之は、職工を総入れ替えして再起を図り、その後の事業はめざましい発展をとげたとか。一方的に契約を切ったら不憫だと思い、その相手に見聞を広げさせる度量をもつ商会、すごいです。そして取引先からそんな厚情を引き出した靖之も、ただ縁を切るのはしのびないほどのすぐれたセンスや人格を備えていたのではないかと思うのです。

靖之が京都に構えた邸に併設された工場は、硝子張りの障子と美しい庭園をもつ明るく静かで清潔な空間で、海外から訪れる客の有名な観光スポットだったそうです。芳名帳には3000人を超える名前がありました。靖之本人はデザインと焼成に携わり、下絵描き以下の工程を担う職人たちを統括していました。工場には発注も定時もなければ納期もなく、職人たちはやりたいときに心ゆくまで腕を揮って繊細な作業をしていたそうです…ってなにそれ、 好きにつくったものを好きに売るだけで成り立ってたの!? ものづくりの天国なのユートピアなの?
その麗しい工場は一代かぎりで閉鎖廃業し、引退した靖之は静かな余生を過ごしたそうです…。

というわけで、作品もできかたも総じて夢のような、美しくもふしぎな見ごたえの展覧会でした。
会場である庭園美術館=お邸の主であった朝香宮は久邇宮の第八子だそうで、縁ある場所での展示というのもいい趣向だなぁと。
美術館そのものが重要文化財なので各部屋ごとに解説パネルがあるのですが(「妃殿下寝室」とか)、それに目を通すのも楽しかったです。宮内省内匠寮(くないしょうたくみのつかさ)は、英語表記だと「Interior Bureau of Royal Household Minister」なのかー、とか。だからなんだって話ですけど、なんかこの英訳「ほぉおお…」と思いませんか?w
桜蝶図平皿
桜蝶図平皿 明治中期 径24.6 京都国立近代美術館

靖之は蝶のモチーフがお気に入りだったようで、作品のあちこちに蝶が舞っていました。
受付で蝶デザインの服やアクセ、ネクタイなどを見せると割引になるらしいですよ! チェキラー

関連記事

宝石商リチャード氏の謎鑑定


宝石商リチャード氏の謎鑑定 (集英社オレンジ文庫)
(2015/12/17)
辻村 七子 (著), 雪広 うたこ (イラスト)

既刊4巻


大学生の中田正義(なかたせいぎ)は、深夜の代々木公園で酔っ払いに絡まれている男性を助ける。彼はリチャード・ラナシンハ・ドヴルピアンという、絶世の美貌をもつイギリス人宝石商だった。正義がリチャードに祖母の形見である指輪の鑑定を依頼したところ、指輪に隠されていた思いもよらない秘密が紐解かれてゆく。

…というような話を幕開けとしてつづくこのシリーズが、もうすばらしく面白くて大好きだ。
指輪の件の落着後、リチャードは銀座に出店する小さな宝石店「エトランジェ」の雑用アルバイトに正義をスカウトする。
各話にモチーフとなる宝石があり、その宝石をめぐる人々の心を凸凹なバディ二人が解きほぐしてゆく連作短編なのだが、シリーズを貫く流れは「リチャードとは何者なのか」という謎と、リチャードと正義のいわく言いがたい関係性の変化にある。

リチャードは優秀なバイヤーで語学力に長け気づかいにあふれ…という万能超人なのだが、あまりにも容姿が美しすぎるため、またその隠された過去のために、生きづらさを内面に押し込めた礼儀正しいハリネズミのような存在になっている。ところが、正義は底抜けに素直で天然な快男児なので、それが美貌だろうが美点だろうが、感動した瞬間にド直球の褒めことばが勝手に口をついて出てしまう。そんな正義の好意の剛速球にペキペキへし折られる針をリチャードが必死に補修し取り繕うさまが、もうニヤニヤというかワクワクというかとんでもないくすぐったさで、かわいくて愉快でたまらないのだ。また、リチャードは甘味に目がないので、かなりたやすくお菓子に釣られるのもまたかわいらしい。

二人は上司と部下だから用のないときには連絡を取りあったりはしないし、友人のような気やすい関係でもないし、まして恋人候補などでもない。正義には片思いしている同窓生の女の子がいて、二人の関係に恋愛というラベルが貼られることはないからだ(リチャードのセクシュアリティは4巻まで伏せられている)。それでも、お互い傍にいるうちに愛着や信頼はしっかり育って、友人以上に想いあい通じあうこともあったりする。……っなにこれ楽しいいいいいいいっ…!
丁寧に造形された独創的なキャラたち、テンポと風通しのいい展開、そして愛と美の薪ざっぽうで読者を正面からブチのめして鼻血を噴かせていくスタイルは、なんだか「ユーリ!!! on ICE」に通じるところがある。ユーリが好きな人はきっとこの作品も好きなんじゃないかなぁ。

さらにこの作品では、愛と美だけではなく善という美徳までも正面から扱っているのがユニークだ。正義がその名のとおりのオート人助け体質であること、偏屈でガードが堅いリチャードが信じられないほどまっすぐな深い優しさをもっていること、それらはただのキャラづけにとどまらず、物語全体のプロットも支配するほどウェイトの高い要素なのだ。
それぞれことなるかたちの優しい心根をもつ二人が、たとえば家族について、自分を偽ることについて、幸福について、悪意について、大切な人が苦境にあることについて、何を感じてどう行動するかは各短編のなかにちりばめられている。そんなふうに積み重ねられ陰影を深めてきた二人のキャラクターが、本当の意味で正面から向き合いぶつかるのが最新4巻だ。
かずかずの宝石によそえて紡がれてきた人間の情や美徳が、首飾りを連ねるように4巻に収束していく首尾、ピンクサファイアで始まった物語がホワイトサファイアでクライマックスを迎える円環、すみずみまで手が込んでいて美しい。

既刊の4巻はそれぞれが起承転結にあたり、いまは物語に大きく一区切りがついたところだ。
3巻の展開があまりにも急転直下だったので、わたしはてっきりその大きな問題が解決する4巻で完結だと思っていた。でもそうではないようなので、この二人の物語がまだ読めることが心からうれしい。
興味が湧いた方はできれば4巻まとめて、ためらわれるならどうか1巻だけでも読んでみてほしい。ただし、電車やバスの中以外で。

「正義。アルバイトとして雇用する時にも確認しましたが、あなたは」
「『人種、宗教、性的嗜好、国籍、その他あらゆるものに基づく偏見を持たず、差別的発言をしない』だっけ。わかってるよ。あとお前のそういうところ、俺かなり好きだよ」
「偏見の有無は好悪の問題ではなく、人間が人間であるための最低条件です」
そういうところが好きなんだと言うと、リチャードは咳払いをした。

…とまあこんな感じなので、爽快感とニヤニヤもだもだ感に同時に襲われてどうしても表情がヤバくなるのだ。これは1巻から引いた文言だけど、3、4巻あたりになるともう「ブフォオッ!」「グッハァ!」ぐらいの叫び声が出る。なので、ぜひ自室で堪能していただければと思う。ぜひぜひ。

局長からの臨時報告瓶

ごぶさたしております。生きてます。
仕事の修羅場は先週で終わったのですが、なぜか今回は「終わったヒャッハー!」なテンションにならなくて、ずるっと日常に復帰しました。また、バタバタしている合間を縫ってバタバタ出かけたり読んだりしてまとめるヒマがなく…。
書きたいことは溜まっているのにどんどん記憶と感覚は遠くなっています@@;

なので、2月何をして何を読んだかざっくり振り返って未来へのメモにしておくことにしました。

●岩佐又兵衛と源氏絵出光美術館
浮世絵の始祖ともされる、高貴にして卑俗なこってり系絵柄の魅惑の絵師です。
人物もさることながら、背景の描線すら色っぽいのが衝撃! 山水でも建築でも、画面の奥からヌモォッと迫ってくるような異様な迫力でした。ただの橋桁がエロいと感じるなんて、わけがわかりません。

今回は源氏絵がテーマだったのですが、源氏物語をかなり忘れてて焦りました。「ほろ酔いで歌いながら登場するチャーミングな美女」というキャラは覚えてても、朧月夜という名前が出てこない。やばす。
と言いつつ源氏は田辺聖子バージョンしか読んでないんですが。でもストーリーを頭に入れるなら充分だし、宇治十帖なんか面白すぎて心臓がばくばくしたのを覚えています。また読みたいな。

●沈黙(→公式サイト
3時間の超大作映画。映像は美しく物語は重く、考えることたっくさん。浅野忠信マジ悪魔。窪塚洋介マジ踏絵職人。
原作を読んだのが大昔でだいたい忘れていたので、映画鑑賞を機にもっかい読み直してみました。結果、ものっすごく上質な映画化だと結論。切り落とす場面のチョイス、落としたところのつなぎ方が絶妙に上手いです。興味がある方は映画からのほうがとっつきやすいかも。
あまりにもでっかいテーマなので軽々に語れないのですが、個人的には信仰と宗教の境目についての話ではないかと感じています。
原作を読んだついでに、幕末および第二次大戦中のキリスト教徒迫害を描いた「女の一生」にも手を出してみました。しんどい。

「沈黙」のキーパーソンである転びバテレンのクリストバン・フェレイラについてちょっと調べたら、同時に穴吊りの拷問にかけられたのが中浦ジュリアン(かつての天正少年使節の一人)だと知って驚きました。で、ジュリアンは殉教してフェレイラは棄教した、と…。
関連して天正少年使節のことを思い出したら、
・彼らに同行した日本人少年のコンスタンティン・ドラードという子が日本にグーテンベルク印刷機を持ち帰って印刷職人になったんだっけなー
とか、
・同時代のキリシタン大名高山右近は荒木村重に仕えてたときもあったんだなー、そしてその村重の子(あるいは孫)が岩佐又兵衛なんだよね
とか、
・少年使節をプロデュースした巡察師ヴァリニャーノってマテオ・リッチの先生だったのか
とかとか。

いろんな興味がリゾーム状にズルズルつながって、すっかり脳内がとっちらかっております。読み返したい本が山のようにあるー! ああなんでわたしは一度読んだ本が完全に脳内に格納される異能をもってないんだあああ

●ラノベ
勇者のセガレが楽しかった。ディエゴの巨神は残念ながらイマイチだったので、やはり和ヶ原聡司は日常に足場があったほうが冴えるんじゃないかな。 
Babelが好みな感じで、続刊が楽しみ。
ラノベのプロ!はさすがの望公太節で満足。最悪探偵もこれから読むぞ。
86がめちゃくちゃ面白かった。「ラストの一文まで文句なし」という帯の文言に偽りなし!
ディアスフェルドの2巻が出て、読み応えばっちりでうれしい。ぜんたい手際よすぎな気がしないでもないが、苦闘すればいいというものでもないし難しいな。
異世界拷問姫の3巻ゲット。楽しみすぎてふるえる。

●アニメ
超・少年探偵団NEO:細谷ボイスを聴きたくて観てるけど、地味に面白いw
鬼平:つっこみどころは多いけど、絵は綺麗で殺陣はカッコよく、声優の芝居が上手くて耳が幸せ。
ACCA:ゆるっと面白い。ジーンがニール・ハノンにしか見えなくなってきた。
けものフレンズ:世上の声に踊らされておそおそと5話から参戦。
ALL OUT!!:赤山赤山赤山んんん
リトルウィッチアカデミア:たぶん今期一番面白いのはこれかな? スーシィ大好き。ダイアナも好き。
マージナル#4:勉強のために観てるけど、ドリフェスのまっすぐでウェルメイドな熱さ、ツキウタのキャラへの耽溺、Bプロのこってりしたあざとさのどれにも及ばない。いろいろハンパで残念。

●ゲーム
家人がプレイするロマサガ2見物中。脈絡なくCaligulaがやりたくなったんだけど、どうしようかな。

●音楽
今年もLFJのスケジュールを検討する時期になりました! たのしみいいいい

てな感じです。あと「宝石商リチャード氏の謎鑑定」がすばらしすぎて、毎回悶えたり叫んだり表情筋のコントロールを失ったりしながら読みふけっています。これは近いうちにちゃんとレビューしたいな。(書きました!→記事はこちら

さて、現在の脳内をとりあえず吐き出してみました。以上のメモが記事として芽吹くかこのまま冷凍されるかは未定です。
もし「この話くわしく」「この話マダー?」などありましたら、お気軽にコメントしていただければと思います!

関連記事